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サマータイムってなに?なんのため?取り組みや起源まで解説します

知識

日照時間の長い季節になると、「サマータイム」が実施される国があります。サマータイムは現在の日本では取り入れられていませんが、サマータイムが取り入れられている国へ出張や旅行をするとき、その国に住んでいる人とやり取りをするときには、サマータイムを考慮しておく必要があります。

この記事では、サマータイムの概要や目的、実施期間、対策方法などを紹介します。サマータイムについてくわしく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

サマータイムとは?

サマータイムとは、時間を1時間早く進める制度を指します。おもに日照時間が長くなる季節の間、欧米やカナダ、オーストラリアなどで実施されています。なお、日本やヨーロッパではサマータイムと呼ばれていますが、アメリカでは「デイライトセービングタイム」(Daylight Saving Time)と呼ばれています。

 

サマータイムは何のため?

サマータイムは、日照時間の長さを省エネや節電、経済効果へ有効活用するために導入されています。

  • 電気ではなく自然の光を使うことで省エネ、節電をする
  • 日光浴をすることで生産性を向上させる
  • 活動する時間を1時間伸ばすことで経済的な効果が出せる

なお、サマータイムが主に取り入れられている国は夏と冬で日照時間に差の出る高緯度の地域です。赤道に近い低緯度の地域では、夏と冬の日照時間の差は少ないため、サマータイムは導入されていません。

 

いつから取り組まれているのか

サマータイムの起源となったのが、戦争です。第一次世界大戦当時、各国では戦争のためにエネルギー消費が著しい状態が続きました。最初にサマータイムを導入したのはドイツとイギリスで、サマータイムによって夜間の国内の電力消費量をおさえて、戦争のために使用するエネルギーに充てていました。

 

現在でもサマータイムを継続している国もある一方、EU諸国を中心にサマータイムの廃止を検討する国も増えてきました。戦争当時の電気利用はほとんどが照明だったため、夜に電気を消せば電力消費はおさえられました。ところが近代化が進むにつれて日没中も照明以外の家電製品などで電力を消費するようになり、サマータイムの効果が薄れてきているためです。

 

サマータイムが健康に悪影響を与えている可能性があるのも、廃止に動いている理由のひとつです。サマータイム期間中は1時間前倒しで生活をするため、睡眠時間も1時間前倒し、場合によっては1時間不足することになります。睡眠時間がずれることで体内時計がずれたり、睡眠不足になったりすることで、健康被害を訴える人も多くいます。

 

実際に、カザフスタンでは健康被害を理由にサマータイムが2005年で廃止されています。

 

サマータイム、いつからいつまで?

ほとんどの国では、3月から10月をサマータイム期間として設定しています。サマータイムを導入している代表的な国と、それぞれのサマータイム期間をまとめました。

 

 

期間中はどうしたらよい?

サマータイムの期間中、海外へ出かけるときや海外の人とやり取りする機会がある場合、次のことに注意しましょう。

  • 関わりのある国の期間を調べておく
  • サマータイムを導入している地域かを調べておく(例:オーストラリアではシドニー・アデレート・メルボルンはサマータイムを実施しているが、ブリスベン、ケアンズ、ゴールドコースト、パースなどはサマータイムを実施していない)
  • 出張や旅行などで実際に足を運ぶときには時差が変化することに気を付ける(例:シドニーと日本の時差は1時間だが、サマータイム中は+1時間=2時間時差が生じる)
  • 切り替わりの日の時計には気を付ける(開始日:23時間/日 終了日:25時間/日となるため)

 

実は日本も取り組んでいた!

実は日本でも終戦直後にGHQ(連合国軍総司令部)の指示により、サマータイムを実施した経験があります。当時のエネルギー不足解消のために導入されましたが、日本人になじみが薄く、残業の増加につながったなどの批判が出たためわずか4年で終了しました。

 

その後もエネルギー問題に直面するたびに、何度もサマータイムが机上に上げられました。1970年代からの石油危機時にはサマータイム制度を導入するために法案がまとめられましたが、結局提出まではいたらず実現していません。

 

2004年には北海道内の企業や行政機関が独自にサマータイムを導入し実施しましたが、経済効果が限定的だったため3年で終了しています。2011年の東日本大震災による福島原発事故を受けた計画停電の流れを受け、独自にサマータイム制度を導入した企業も多くありましたが、いずれも限定的な対策でその後は導入を終えているところも多いです。

 

まとめ

サマータイムは日本ではなじみのない制度ですが、実は導入されている国では歴史の長い制度となっています。サマータイムを導入した国の意図を理解し尊重しながら、取り組む国と関わる際には事前に時差をチェックし、時間による失敗が起こらないように気を付けて交流するようにしましょう。

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