自分の英語力の証明になる代表的な資格に「英検」があります。英検は任意の級を選んで受験できるため、小学生や中学生、英語初心者の方でまずは英検を受験してみたいという方も多いかもしれません。とはいえ、英検に合格するためにどのように勉強していいか分からない方もいるでしょう。今回の記事では、英検に合格するために必要なことや具体的な勉強方法について解説しています。英検の級の選び方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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英検は正式名称「実用英語技能検定」であり、公益財団法人日本英語検定協会が主催・運営する英語の検定試験です。2024年7月現在、1級~5級+準1級、準2級の7つの階級に分かれています。級が上がるにつれて求められる英語の技能も上がるため、自分の英語レベルに合わせた級を選んだり、下の級から徐々にステップアップして受験したりといったことが可能です。
英検に合格するために必要な技能レベルは各級によって異なりますが、共通して以下の英語における4つの能力が求められます。
それぞれの能力と英検の試験内容との関係を解説します。
リーディングとは、英文を読み取る能力のことです。英検では短文や会話文、長文の穴埋め問題がリーディングのテストとして出題されています。
リスニングとは、英語を聞き取る能力のことです。英検では放送される会話文や短文を聞き、応答や話した内容に関する質問の回答を選択するという形で出題されています。
ライティングとは英語を書く能力のことです。英検では3級以上からライティングの問題が登場。メールの返信を英文で書いたり、質問に対する意見を英文で書いたりといった記述問題として出題されています。
スピーキングとは英語を話す能力のことです。英検では3級以上から二次試験として、スピーキング能力が問われる英語の面接が実施されます。面接では面接官の指示に従って英語の音読や、英文の内容に関する質問への英語での回答が求められます。
英検はレベルに応じて7つの級に分かれています。はじめて英検を受験したいとき、どの級を受験して良いか分からないという方もいるのではないでしょうか。英検で受験する級の選び方について解説します。
英検の各級には、以下の「どのくらいのレベルであるか」を示した推奨目安が設定されています。
英検の級 |
推奨目安 |
1級 | ⼤学上級程度 |
準1級 | ⼤学中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
4級 | 中学中級程度 |
5級 | 中学初級程度 |
推奨目安は幅広く設定されています。推奨目安を参考に、自分の英語レベルと合う級を選んで受験する方法もおすすめです。英検はどの級から受けても問題ないため、たとえば高校生がはじめて英検の受験にチャレンジしたいときには、推奨目安を参考に4級や3級から受けることもできます。
自分のレベルと合う英検の級を選ぶ方法に、過去問を活用する方法もあります。受験を検討している級の過去問を実際に解いてみて、手ごたえや出来栄えを確認してみましょう。とても難しくまったく解けない場合には級を落としたり、逆に問題なく解けた場合はその級や上の級にしたりなど、自分が今持っている実際の英語レベルに応じて受験する級を調整できます。
過去問は書店や通販サイトで過去問題集を購入するか、英検の公式サイトから入手できます。
実際に受験する級が決まったら、英検合格のための勉強をはじめましょう。とはいえ、はじめて英検を受験する場合、具体的な勉強方法が分からないという方も多いかもしれません。英検合格のための勉強方法を順に解説します。
英検合格のための代表的な勉強方法として、英検の過去問を繰り返し解く方法があります。過去問題集や英検の公式サイトから入手した、過去問を何度も解いてみましょう。一次試験のリーディングやライティングの問題はもちろん、リスニングや二次試験の面接(スピーキング)の過去問についてもチェックできます。
過去問からは、問題がどのように出題されるか、形式や内容も確認できます。まずは英語の4技能ごとの出題形式を理解しましょう。たとえば一次試験のリーディングやライティングの問題は、受験する級に関係なく以下のように共通の形式で出題されています。
英語の4技能 | 出題形式 |
リーディング | ・短文の穴埋め問題
・長文の穴埋め問題 ・長文を読み、内容について答える |
ライティング | 出題されたトピックについて記述する |
その後は問題を繰り返し解いて演習をすることで受験する級への対策ができます。
過去問を繰り返し解くときには、時間を測ることと、自分で例題の文章を解説するようにしましょう。試験時間は、各級によって異なります。試験時間を実際に測りながら過去問を解くことで、英検の試験本番と同じ時間配分が身につけられます。
問題に対しての回答の根拠や理由は、自分の言葉で解説するようにしましょう。問題への理解度が深まり、記憶にも残りやすいためです。
英語全般の基礎学習として有効な、単語・熟語を覚えることは英検の合格にも必須の勉強方法です。ただし、英語のスペルや意味を丸暗記するのは避けましょう。丸暗記をしてしまうと、他の単語や熟語と混同してしまったり、単語や熟語のニュアンスを区別できないだけでなく、すべての単語や熟語を覚えきれず、勉強方法としても非効率です。
丸暗記は避けて、文章単位で英語や熟語を覚えるようにしましょう。英語や熟語の前後の英文も覚えることで、品詞やニュアンスによる使い分けもできるようになります。さらに実際に単語や熟語の発音を聞いたり、自分で音読したりすることで記憶に定着しやすくなり、リスニングやスピーキング対策にも役立ちます。
英検の受験級のレベルが上がると、自分で英文を考えて生み出す英作文の力も求められます。英作文の勉強は、以下のプロセスで進めましょう。
1.例文を書き写す
2.文章の構成を意識しながら英文を書く
3.文法やスペルミスをチェックする
まず文章の構造を理解するために、過去問や参考書の例文を書き写します。構造をある程度理解できたら、文章構成を意識しながら自分の力で英文を作成しましょう。まず書きたい内容をメモしておき、内容を整理した上で英文を書くと失敗を減らせます。最後に文法やスペルのミスを確認・修正しましょう。反復練習することで、英作文の力を身につけられます。
英作文の勉強を行うことで、文章構成を理解できるだけでなく、自分の苦手な部分の気づきにもつながります。単語の配置や熟語の使い方も身に付けられるため、ライティングだけでなく、面接時のスピーキングにも活用できるでしょう。
自分で作った英文は、声に出して音読します。英作文でインプットしたあと、音読をすることでアウトプットでき、より記憶が定着しやすくなるためです。ライティングの試験のない級を受験する場合にも、覚えた単語や熟語、英文を音読することでアウトプットができます。正しい発音に気を付けて音読することは、面接やスピーキング対策にも有効です。
選択式のリーディングの問題は全級で出題されます。英文法の力はすべての級で求められることを覚えておきましょう。英単語や熟語のみを覚えても、上級の複雑な英文には対応できません。複雑な英文に対応するためにも、英文法を基礎からしっかりマスターしておきましょう。たとえば1級や準1級を受験する際には、2級レベルの高校卒業程度の英文法までの基礎固めをしっかり行っておく必要があります。
英文法の復習方法は、以下のステップで行いましょう。
目安としては、2級で高校卒業程度のレベルです。上級へステップアップするためには、英文法を理解して、自ら文章を生み出せる程度の知識が必要です。
英文法の主な勉強方法は、下記の通りです。
1.声に出して文章を読む
2.繰り返し英文を書く
3.英語で会話する
先ほど解説した英文を音読する方法や、過去問を繰り返し解いて英文を書く練習を行います。その後、近い級を受験する仲間や先生などがいれば、英文法を意識しながら会話する練習をすることでより理解度が高められるでしょう。
英文を書いたり音読したりするだけでなく、繰り返し集中して英語を聞く勉強方法も取り入れましょう。英語を繰り返し聞くことで、英語を聞き取りながら内容を理解できるリスニングの力を身につけられます。リスニングの力は一次試験のリスニングはもちろん、二次試験の面接試験でも、面接官からの質問内容をしっかり理解する上で必要となる力です。英語を繰り返し聞くことで、英語に耳が慣れて本番でもしっかり英語を聞き取れるようになります。英検の過去問や参考書を購入するときには、音声CDやダウンロードサービスが付属しているものを選ぶと、英語を聞く勉強方法にも取り入れられるため、おすすめです。
ただ英語を聞き取るのではなく、以下の方法を取り入れることで着実にリスニングの力を伸ばすことができます。
1.英検のリスニングの過去問を解く
2.シャドーイングする
3.聞きながら書き取りする
リスニングの過去問を聞くことで、試験本番で出題される同じリスニングのスピードに耳を慣らすことができます。本番時のスピードで英語を聞き取れるように、何度も繰り返し過去問を聞き取りましょう。本番のスピードに耳が慣れてきたら、聴いた英語の音声を追いかけて真似して発音する「シャドーイング」を行ったり、聞き取った英語をそのまま書き取ったりする勉強方法も有効です。耳で聞いた英語の内容を正しく瞬時に理解できる力を身につける練習になります。
英検で求められる4つの技能に加えて級の選び方、勉強方法を紹介しました。英検に合格するには、自分のレベルに合う級を選択するのはもちろん、求められている各能力を訓練し、伸ばすことが大切です。しっかりと単語・熟語を覚える、英文法を復習するなど基礎を固めて、過去問を繰り返し解くことで英検合格に近づけるでしょう。
はじめての英検受験で不安があるときや、なかなか英検対策の勉強をする時間がないとき、上の級にチャレンジしてもなかなか合格できないときには、実績豊富な英検対策コースを受けるのもおすすめです。プリンス英米学院では英文法・英検コースをご用意しております。
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