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プリンス英米学院まとめ

海外は日本とは学年の区切りが違う!学校の仕組みや義務教育期間まで教えます

知識

教育機関などで使用される学年や年度などの区切りは、実は日本と海外では異なります。

「海外の国ではどのように学年を区切っているの?」「4月から新学期がはじまるのは日本だけ?」といったことが気になる方もいるかもしれません。

今回は日本と海外の学年の区切りや、学校の仕組みや義務教育機関などの違いを比較しながら紹介します。

 

日本の学年の区切り

まず日本の学年の区切りを確認しておきましょう。日本では、法律上の年齢計算に基づいて学年を区切るのが特徴です。そのため、4月2日生まれから翌年の4月1日生まれまでが同じ学年になります。

 

日本の学校制度は、以下のように設定されています。

 

  • 保育園(幼稚園)
  • 小学校6年
  • 中学校3年
  • 高等学校3年
  • 大学4年

 

学校年度は、4月1日から翌年の3月31日までです。

 

日本と海外の学年や一年の区切りの違い

日本と海外諸国で、学年や新年度のはじまる区切りは異なります。各国の学年や新年度のはじまる区切りと、生まれ月の関係について比較して解説します。

学校制度 年度の区切り 学期制
日本 ・保育園(幼稚園)

・小学校6年

・中学校3年

・高等学校3年

・大学4年

4月1日から翌年の3月31日まで 2学期制または3学期制
アメリカ ・幼児教育(就学前)

・小学校

・ミドルスクール

・ハイスクール

・高等教育

州によって異なる

9月から翌年の6月下旬までなど

州によって異なる
オーストラリア ・幼児教育(就学前)と初等教育(小学校)のセクター

・中等教育(高校)

・高等教育(大学と登録訓練機関(RTO))

2月ごろから12月下旬まで 4学期制が多い
イギリス ・初等教育6年

・中等教育5年

・シックスス・フォーム2年

・高等教育3(4)制

9月から翌年の7月まで 3学期制
韓国 ・保育園(幼稚園)

・小学校6年

・中学校3年

・高等学校3年

・大学4年

3月から2月末まで 2学期制

 

アメリカの教育制度

アメリカの学校制度は、以下の通りです。

 

  • 幼児教育(就学前)
  • 小学校
  • ミドルスクール
  • ハイスクール
  • 高等教育

 

高等教育とは日本の大学にあたります。アメリカでは一般的に小中高の垣根を超えた一貫教育が重要視されているのが特徴です。

 

日本の年度にあたる学年の開始学年は州によって異なり、多いのは9月から翌年の6月下旬までですが、8月末や7月、1月1日からの州もあります。学期も州によって異なり、日本の夏休みや冬休みにあたる長期休みの期間や、祝日も州によって異なります。

 

アメリカでは障がいがある子供に向けた教育法があります。教育現場の各ステージで適宜専門家が介入し、適切な教育を受けられるよう支援しているのが特徴です。また能力が突出した子供に提供されるギフテッド教育があります。専門家による心理テストやIQテストなどからギフテッドと判断された子供は、ギフテッド用の授業を受けられるほか、いわゆる「飛び級」も可能です。

 

また義務教育中でも留年制度があります。素行が悪い場合は、停学や退学の処分も受けます。

 

オーストラリアの教育制度

オーストラリアの学校制度は以下の通りです。

 

  • 幼児教育(就学前)と初等教育(小学校)のセクター
  • 中等教育(高校)
  • 高等教育(大学と登録訓練機関(RTO))

 

学校年度は2月ごろから12月下旬までです。学期は4学期制が多く、各学期は10週間程度、学期間の休暇は2~3週間程度あります。大学や専門学校は2学期制です。

 

日本では小学生の約92%、中学生の約70%が公立の学校に就学しますが、オーストラリアの学生は約65%が公立学校、約35%が非公立学校で教育を受けています。非公立学校にはキリスト教主義学校やインデペンデント・スクールなどがあります。

 

日本で大学に進学する場合は、大学入試センターが実施する「大学入学共通テスト」(通称、共通テスト)と各大学が独自に実施する「個別試験」を、入学を希望する前年度に受ける必要があります。オーストラリアで大学進学を希望する場合は、後期中等教育(高校相当)の2年間に日本の大学の一般教養科目に相当する科目を履修し、州の統一資格試験を受けます。大学は、卒業試験と高校の最終2年間の成績をもとに入学審査を行うのが特徴です。

 

オーストラリアは、高等職業教育が充実しています。大学のほか、VET(Vocational Education and Training)と呼ばれる教育機関があるのが特徴です。VETは就職後即戦力として活躍するための知識やスキルを学ぶ場所で、日本の専門学校にあたります。VETは公立の専門学校であるTAFE(Technical and Future Education)と私立の専門学校であるPrivate Collegeがあり、いずれも多くのカレッジがあります。

 

イギリスの教育制度

イギリスの教育制度は以下の通りです。

 

  • 初等教育6年
  • 中等教育5年
  • シックスス・フォーム2年
  • 高等教育3(4)制

 

学校年度は9月から翌年の7月です。学期は3学期制を採用しており、各学期の中間には1週間の休みがあります。

 

イギリスでは、中等教育の最終学年で、進学や就職に影響するGCSE(全国統一学力試験)を受けます。16歳から18歳までに該当するシックスス・フォームとは、大学進学に必要なAレベルや職業教育を受ける教育です。

 

イギリスにはグラマースクール、ボーディング・スクール、プレパラトリー・スクールなどの特徴的なスクールがあります。グラマースクールはイレブン+(eleven-plus)という試験に合格すると入学できる公立の進学校です。日本の公立中高一貫校にあたります。ボーディング・スクールとは、日本の全寮制のインターナショナルスクールのような学校です。

 

プレパラトリー・スクールとは8~13歳の子供が通う学校です。私立学校の中のトップ10%を構成するエリート校であるパブリックスクールや、国や自治体からの財源に頼らず、独立運営をしている私立学校であるインデペンデント・スクールへ入学するための準備教育を行うことを目的としています。

 

韓国の教育制度

韓国の教育制度は以下の通りで日本と同じです。

 

  • 小学校6年
  • 中学校3年
  • 高等学校3年
  • 大学4年

 

学校年度は3月から2月末、学期は2学期制となっています。

 

韓国では、一般的に高校受験がありません。中学校の成績と住んでいる地域によって進学する高校が決まります。科学英才高校や外国語高校などの特殊目的高校や自立型私立高校に入学するには試験が必要です。これらの高校は名門大学への進学率が高く、人気があります。

 

日本での大学進学率は56.6%ほどであるのに対して、韓国の大学進学率は95%以上です。韓国での大学進学率の内訳は、4年制大学が約60%、短大や専門学校が約35%となっています。韓国の男子は兵役義務があるため、大学1年生や2年生の時に軍隊に入隊して休学する場合が多いです。韓国は教育熱心な家庭が多く、受験は受験戦争と呼ばれるほど競争が激しいです。また英語教育も徹底されています。

 

年齢の数え方が異なっていた韓国

韓国では、生まれた時点で1歳と数え、毎年1月1日に1歳を加える「数え年」という方法が年齢の数え方として長い間使われてきました。ところが、数え年は国際的な基準と合わないため、公的な場では生まれた時点で0歳とし、誕生日ごとに1歳を加える「満年齢」で年齢が数えられてきました。

 

2023年6月に韓国の国会で新しい法律が可決され、公文書や契約書などの法的文書に記載される年齢はすべて「満年齢」に統一されました。新しい法律により、今まであった1~2歳の海外との年齢のずれが解消されています。

 

海外にも義務教育はあるのか

日本では、就学前の幼稚園や保育園から高校までほとんどの人(98.8%)が、進学しています。この中でも、日本では憲法第26条第2項に基づいて、「小学校6年間と中学校3年間、計9年間」の普通教育を無償で受けることが義務付けられています。

 

海外でも、以下のように日本と同じような義務教育の期間があります。

 

・アメリカ

アメリカの義務教育期間はK-12(ケースルートゥエルブ、kay-through-twelve)あるいはK12(ケートゥエルブ)と呼ばれ、「幼稚園(KindergartenのK)の年長から始まり高等学校を卒業する(12年生=高校3年生の学年)までの13年間を指します。小学校、ミドルスクール、ハイスクールなど、学校区分も州や学区によって異なります。

 

・オーストラリア

州または準州および生年月日に応じて、4歳、5歳、または6歳から15歳、16歳、または17歳の間が義務教育化されています。

 

・イギリス

義務教育は5歳から16歳までの11年間で、内訳は初等教育が6年間、中等教育が5年間です。さらにイングランドでは2015年から義務教育が18歳までに引き上げられました。義務教育後、教育や訓練の継続が義務付けられています。

 

・韓国

義務教育は6歳から15歳までの9年間です。初等教育は6年間、中等教育は3年間です。幼稚園や高等学校の無償化についても検討されています。

 

早生まれとは?いつからいつまで?

日本の早生まれに該当するのは、「1月1日~4月1日生まれ」です。

 

日本では4月1日から翌年の3月31日までがひとつの学年とされていますが、実際に同じ学年となるのは、4月2日生まれから翌年の4月1日生まれまでです。これは、「誕生日の前日が終了する24時に満年齢に達する」という法律上の規定から来ています。たとえば、2023年4月1日に小学校に入学するのは、2016年4月2日から2017年4月1日までに生まれた子どもたちです。4月1日生まれと2日生まれは、誕生日が1日違うだけで学年が変わることになります。

 

海外にも早生まれの概念はあるのか?

海外でも早生まれの概念はありますが、日本と特徴が異なります。早生まれのハンデがないように対策が取れる国もあります。

 

・アメリカ

アメリカでは学年の区切りが州や地域によって異なります。一般的には9月から新年度がはじまりますが、9月生まれから8月生まれまでの子どもが同じ学年となるところもあれば、12月生まれから11月生まれまでの子どもが同じ学年となるところもあります。

 

アメリカでも早生まれは「youngest」と呼ばれ、成績や素行に影響があるという研究もありますが、親の判断で小学校入学を1年遅らせたり、飛び級や留年をしたりすることも可能です。

 

・オーストラリア

オーストラリアも学年の区切りは州によって異なりますが、一般には1月から12月までです。アメリカと同じく早生まれの子どもは学力や自己評価に影響を受ける可能性があるという研究もあり、親の判断で入学を1年遅らせることもできます。

 

・イギリス

学年の区切りは9月1日で、9月から新年度がはじまります。小学校に入学する5歳の時点で、文章を用いた会話や基本的な読み書きのスキルが求められるため、早生まれに該当する6~8月生まれの子どもには厳しいかもしれません。そのため、イギリスでも親の判断で小学校入学を1年遅らせたり、飛び級や留年をしたりすることも可能です。

 

・韓国

年齢はすべて「満年齢」に統一されたことを受け、学年の区切りは年齢が同じ=同じ学年になります。そのため同じ年の1月1日生まれから12月31日生まれまでの子どもが同じ学年です。かつては1月1日~2月29日生まれまでの子どもが、年齢が違うけど同じ学年である早生まれでしたが、現在は解消されています。

 

国が変われば学校の制度も違う。文化の違いも理解して国際交流を楽しもう

日本や海外の学年の区切りや教育制度について解説しました。学校生活や教育機関は日本や海外問わず日常生活に密着していますが、国ごとに教育を受ける機関も、制度も違います。長期休みや進級の時期も異なるので、国を超えた交流の際相手の国の教育制度にも心配りができると良いかもしれません。

 

プリンス英米学院では、今回ご紹介した教育制度など、生活に密着した身近な文化を感じながら、より生きた、実践に近い英語をネイティブの講師から学ぶことができます。「わからないことがあってもどうやって質問していいかわからない」など、英語初心者の方でもネイティブレベルの日本人バイリンガルスタッフがサポートします。表現したい日本語のニュアンスをとらえ、齟齬のない生きた英語表現を習得できます。

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