子どもたちが楽しみにしているイベントのひとつにクリスマスがあります。クリスマスにプレゼントをくれる人と言えば、サンタクロースです。お子さんがいる方なら「サンタクロースは本当にいるの?」「ふだんは何をしているの?」などサンタクロースに関する質問をされたことがありませんか。
この記事では、サンタクロースの正体や歴史、サンタクロースにまつわる謎や暑い国、日本など各国のサンタクロースについて解説します。
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クリスマスに世界中の良い子たちへクリスマスプレゼントを届ける人物がご存じサンタクロースです。けれども、「サンタクロースは本当はいない」「サンタクロースの正体はパパやママ」と言われることも多いですよね。
そんなサンタクロースの正体について質問する手紙を、ヴァージニア・オハンロンという女の子がニューヨーク・サン新聞社へ送りました。新聞社からの答えは「サンタクロースは本当にいる」でした。
引用:「サンタクロースはいるんだ Yes, Virginia, There is a Santa Claus
ニューヨーク・サン紙社説(担当:フランシス・ファーセラス・チャーチ) The New York Sun (written by Francis Pharcellus Church) 大久保ゆう訳」
サンタクロースのモデルとなった人物は4世紀ごろに存在したキリスト教の司祭であり、神学者である「聖ニコラウス」です。「サンタクロース」という名称も、聖ニコラウスのオランダ読みである「シンタクラース」に由来すると言われています。もともと彼の命日である12月6日は「聖ニコラウスの日(シンタクラースの日)」としてプレゼントを交換し合う風習があり、これがクリスマス=サンタクロースからプレゼントをもらう日、となった歴史があります。
聖ニコラウスはキリスト教の教えを説きながら、貧しい人や弱い人を助ける心優しい人物でした。
ある日貧しさのあまり3人の娘の身売りを考える父親に出会います。心を痛めた聖ニコラウスは、何とか家族の手助けにならないかと真夜中にこっそり窓から(または煙突から)その家に金貨を投げ入れました。
聖ニコラウスの投げた金貨は暖炉の前に干してあった靴下の中に入り、翌朝金貨を見つけた家族は喜び3人の娘たちは身売りをせずにすみ、全員が結婚もできました。金貨がどこから来たか気になった父親が見張っていると、金貨を投げ入れる聖ニコラウスの姿を見つけ、ひれ伏して大泣きし感謝しました。
この話から、サンタクロースは靴下にプレゼントを入れる、という文化が定着したと言われています。
サンタクロースといえばすぐにイメージできる、アイコン的な要素はたくさんあります。実はそれぞれに理由があるのをご存じでしょうか。サンタクロースにまつわる「どうして?」を解決しながら、アイコンそれぞれの意味を紹介します。
サンタクロース発祥の地は、冬の間雪深くなる北欧です。もともと北欧の国では雪ぞりにに乗って移動する習慣があることに由来します。
日本でも北海道など雪の多い地域では冬の間にそりを使用しますが、ひかせる動物は犬です。一方、サンタクロース発祥の地である北欧は、そりをひく動物と言えば、トナカイです。北欧のスカンディナビア半島などに住んでいるサーミ人という先住民族も、トナカイなどの動物と一緒に暮らしています。
サンタクロースが来ている赤い服の由来も、モデルとなった聖ニコラウスから来ています。聖ニコラウスはミュラの司教で、司教服は赤色でした。キリスト教の司教は自分の命を投げうってでも人々を幸せにするという覚悟の象徴として、血の色である赤を司教服の色と決めていたそうです。
司教服の色が赤であったことに加えて、赤は愛を象徴する色であり、幸福や暖かい太陽や炎をイメージさせる色でもあります。待ち望んでいるものを連想させる色として「サンタクロース=赤」が定着したとも言えるでしょう。
サンタクロースは「聖ニコラウスの日(シンタクロースの日)」を祝う風習のあったオランダ人が、アメリカを植民地化したときにサンタクロースとしてアメリカに伝わったと言われています。そのときに伝わった話では、サンタクロースの故郷は北極とされています。その後北極圏にあるフィンランドのラップランドがサンタクロースの故郷であると考えられ、1927年にフィンランド国営放送局がラップランド東部にあるコルヴァトゥントゥリ(別名耳の山)をサンタクロースの正式な住居と宣言しました。
フィンランドのラップランド地方のロヴァニエミ市中心街から北へ8kmの北極圏上には、サンタクロース村が存在します。サンタクロース村にはサンタクロースの部屋、サンタクロース郵便局、クリスマスグッズの店などが集まっています。
最初に紹介したニューヨーク・サン新聞の記者の回答では「サンタクロースは目に見えないけれども本当にいる」としていました。目には見えないものの、サンタクロースを実際に見てみたい、会いたいという子どもたちも多いですよね。
実は世界中に本物のサンタクロースとして認められた、公認のサンタクロースが存在します。
「400歳を超えるサンタクロースが住んでいる」というグリーンランドを本拠地に、1957年より「グリーンランド国際サンタクロース協会」が存在しています。世界各国に支部を置き、独自の公認サンタクロースを認定しています。
認定サンタクロースとなるためには、以下の厳しい条件をクリアしたあとに、国際認定試験に合格しなければいけません。
条件※事情があれば一部条件の緩和あり
国際認定試験の内容
厳しい国際試験をクリアし、国際サンタクロース協会に認められたアジア人唯一の認定サンタクロースに、日本人の「パラダイス山元」さんがいます。1998年に当時史上最年少の35歳で公認サンタクロース試験に合格後、毎年デンマークの首都コペンハーゲンで開催される「世界サンタクロース会議」に出席し、現在まで認定サンタクロースのライセンスを更新し続けています。認定サンタクロースとして、事情があって親と過ごせない子どもたちを対象とした活動を行っています。
南半球ではクリスマスの時期は真夏にあたります。寒い季節や地域のサンタクロースはもこもこの服を着て暖かそうな格好をし、トナカイのひくそりなどに乗っていますよね。一方、クリスマスが暑い季節に当たる国では、国それぞれで個性的なサンタクロースがいます。
たとえばオーストラリアのサンタクロースは、サーフボードに乗って波に乗りながら海から来ます。服装もアロハシャツに短パン、ということもあります。ちなみに、お供はトナカイではなくカンガルーです。また、オーストラリアは北半球からの移民も多く「雪の降る季節のクリスマスが恋しい」という理由からはじまった、冬に当たる7月にクリスマスを祝う「Christmas in July」という風習が続いています。
一年に一度、クリスマスにしか会うことのできないサンタクロース。サンタクロースには由来や歴史があり、アイコンにもひとつひとつ意味があることも分かりました。サンタクロースは一年間良い子にしていたご褒美として、子どもたちにプレゼントを渡します。サンタクロースからのプレゼントを胸を張ってもらえるように、子どもには勉強をより一層頑張ってもらいましょう!
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