日本では、日常的に様々な頭字語が使われています。例えばSNS、ATMといった頭字語はよく目にしますよね。しかし、実際には何の略なのか知らずに使っている言葉も多いのではないでしょうか。今回は日本に住んでいる私たちが身の周りで見る頭字語がどのようなアルファベットの略から成り立っているのかを紹介いたします!有名なものもあれば、意外と知らないものもたくさんあります。
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頭字語はアクロニム(acronym)とも呼ばれ、アルファベットの略語の一種の事を指します。
しかし、略語の一種である頭字語とその他の略語、また、名前が似ている頭文字語はいったい何が異なっているのでしょうか。
略語はある語の一部を何らかの方法を用いて省略や簡略して出来た言葉です。
頭字語は略語の一種であるため、上記の略語の定義に則って作られており、頭字語はその語に入っている単語の最初の文字を繋げて作るという方法を使って作る略語の事を指しています。その為、頭字語は全て略語となっています。
頭文字語は一見頭字語と同じもののように見えますが、実は異なるものでイニシャリズム(initialism)とも呼ばれています。しかし、頭文字語は語の中の単語の頭文字を使い、作っている為、頭字語の一種です。頭文字語が他の頭字語と大きく異なるのは発音です。
頭字語は繋げたアルファベットをそのままひとつの単語のように発音します。一方で頭文字語はアルファベットを一文字ずつ発音します。例として国連の「UNESCO」はそのまま「ユネスコ」と読みますが、「WHO」は「ダブリューエイチオー」とそれぞれのアルファベットの発音を繋げて読みます。これが頭文字語です。
では、実際に身近な頭字語の使用例を見てみましょう。
〇DVD (Digital Versatile Disc)
Versatileには「多目的」という意味があります。映像・音声向け、容量、記録回数など用途に応じて7種類の規格があるDVDは、多目的なデジタル記録ディスクといえます。
〇SNSは、Social Networking Service
登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービスのことです。
InstagramやX、Facebookなどを利用されている方も多いと思います。
○ATM (Automatic Teller Machine)
現金の入金や支払いをするATMは、銀行やコンビニで日常的に使いますが、略語はあまり知られていません。Tellerとは「銀行の窓口係」という意味があります。
○IQ (Intelligence Quotient)
知能指数を表す言葉として知られています。Quotientとは「指数」という意味があります。
○TPO (Time, Place, Occasion)
Time「時間」、Place「場所」、Occasion「場面」の頭文字を取った略語であり、時と場所、場合に合わせて行動や言動をわきまえることの意味で、ビジネスマンとして身につけておきたい概念です。
現在、日本の多くの有名企業やブランドで頭字語が使われています。では、なぜそんなに多くの企業で頭字語が使われているのでしょうか?
頭字語を使う理由として考えられるのは、主に企業が消費者に覚えてもらえるように会社の名前に頭字語を使っているケースが多く見られます。多くはかつての社名をそのまま頭字語にして用いることが多くあります。また、海外の企業が日本で日本法人を作る際に用いたりもします。
また、その会社の理念を並べ、それらを頭字語にして企業名とする場合もあるようです。
このように英語での社名の頭文字からとったものもあれば、企業の歴史や想いを感じるものもあります。
では、実際にどのような企業やブランドが頭字語を使用しているのでしょうか。
ここではその一部を紹介いたします!
○JR (Japan Railway)
日本国有鉄道の頭文字が「JNR (Japanese National Railways)」であったことから、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、「国有」を表すNationalを除いて「JR」となりました。
○MOS (モスバーガー)
モスバーガーの「モス(MOS)」
実はこれは「Mountain, Ocean, Sun」の略語であり、「山のように気高く堂々と、
海のように深く広い心で、太陽のように燃え尽きることのない情熱をもって」という人間・自然への限りない愛情がそこには込められているそうです。
〇au (エーユー)
携帯電話を含む移動体通信事業、ITサービス事業で知られているブランド名です。
移動体通信事業の方向性を象徴する数々のキーワード、即ち「Access、Always、Amenity」などの頭文字である“A”と、「Unique、Universal、User」などの頭文字である“U”から構成された造語です。
〇NTT (Nippon Telegraph and Telephone Corporation)
日本の通信業者であるNTT(日本電信電話株式会社)は、英語の社名である「Nippon Telegraph and Telephone Corporation」の略語となっています。Telegraph「電信」はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、モールス信号などを代表とする符号の送受信による電気通信のことを指します。
SOSは一見、頭字語に見えますが、実際は頭字語ではありません。
俗にsave our souls(ship)またはsuspend other serviceの略と言われていますが、実際にはそれらとは関係なく、 モールス信号の「・・・(S) ‐ ‐ ‐ (O)・・・(S)」という注意を引きやすい組み合わせがSOSの語源であり、何かの略語というわけではないようです。
いかがでしたか?頭字語は私たちの身近な様々な部分に利用されており、企業やブランドの名称としても利用されていることが理解できたかと思います。世界中に存在している頭字語を見かけた際にどのような言葉の略語として頭字語が作られたかを考えてみるのも面白いでしょう。
実際にどのようなものの略語なのかを理解することで頭字語のみならず、その頭字語に使われている英語の勉強にもなるでしょう。
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