英語教育改革
2020年度に小学校で新学習指導要領が実施されました。
(中学校では2021年度・高校では2022年度に入学する生徒から実施)
新学習指導要領では、英語の内容の改訂が注目されています。
小学校では、3年生から「外国語活動」として英語学習がスタートし、5・6年生では、英語は正式な教科となり、成績も付くようになりました。
小学校では、英語でのコミュニケーションのベースとなる力を育てるための授業が行われています。
詳しく内容を見ていきましょう。
1.小学校3・4年生
2.小学校5・6年生
3.まとめ
1.小学校3・4年生
小学校3・4年生の学習目標は、「コミュニケーションを図る素地となる資質・能力」の育成です。新学習指導要領では、「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」の3つの領域別に目標が設定されています。
(1)聞くことの目標
ア) ゆっくりはっきりと話された際に、自分のことや身の回りの物を表す簡単な語句 を聞き取るようにする。
イ) ゆっくりはっきりと話された際に、身近で簡単な事柄に関する基本的な表現の意味が分かるようにする。
ウ) 文字の読み方が発音されるのを聞いた際に、どの文字であるかが分かるようにする。
(2)話すこと(やり取り)の目標
ア) 基本的な表現を用いて挨拶、感謝、簡単な指示をしたり、それらに応じたりするようにする。
イ) 自分のことや身の回りの物について、動作を交えながら、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする。
ウ) サポートを受けて、自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について、簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする。
(3)話すこと(発表)の目標
ア) 身の回りの物について、人前で実物などを見せながら、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
イ) 自分のことについて、人前で実物などを見せながら、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
ウ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について、人前で実物などを見せながら、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
これらの目標には、「自分のこと」「身の回りの物」「挨拶、感謝、簡単な指示」「身の回りの物に関する事柄」「日常生活に関する身近で簡単な事柄」「自分の考えや気持ち」などとありますが、3・4年生では、それらに関する次のような語彙を学んでいます。
数字 (one、twoなど)
動物 (elephant、monkeyなど)
色 (red、yellowなど)
形 (square、circleなど)
食べ物 (spaghetti, green teaなど)
スポーツ (soccer, table tennisなど)
体の部分 (head、noseなど)
曜日 (Sunday、Mondayなど)
文房具 (scissors、eraserなど)
また、「基本的な表現」として、次のような表現を学びます。
小学3年生
How are you?
I’m good, thank you. And you?
I’m good.
How many balls? Five balls.
*文科省の教材では、3・4年生では
How many balls?
のように簡単な表現を学習することになっていますが、プリンス英米学院では低学年のうちから、
How many balls do you have?のようにフルセンテンス(きちんとした文章)で学んでいきます。
What color do you like? I like blue.
What do you like? I like strawberries.
What’s this? It’s a panda.
小学4年生
What day do you like? I like Fridays.
What time is it? It is 10 a.m.
Do you have a ruler? Yes, I do.
What do you want? I want peaches.
I like books.
The library is my favorite place.
I have breakfast.
I check my school bag.
I leave my house.
3・4年生ではアルファベットは慣れ親しむ程度で、「読むこと」と「書くこと」の学習は5年生からとなります。授業時間は年間35時間で、「聞くこと」からスタートし、ゲームや歌などを取り入れながら「話すこと」につながるコミュニケーションの素地を育てる授業が行われています。
2.小学校5・6年生
小学校5・6年生では、正式な教科として英語を学習しています。英語が正式な教科となったことで、成績が付くようになりました。学習目標は、「コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成」です。5・6年生では、「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」に「読むこと」「書くこと」が加わり、4技能5領域の学習が行われています。それぞれの目標は次の通りです。
(1)聞くことの目標
ア) ゆっくりはっきりと話されれば、自分のことや身近で簡単な事柄について簡単な語句や基本的な表現を聞き取ることができるようにする。
イ) ゆっくりはっきりと話されれば、日常生活に関する身近で簡単な事柄について、具体的な情報を聞き取ることができるようにする。
ウ) ゆっくりはっきりと話されれば、日常生活に関する身近で簡単な事柄について、短い話の概要を捉えることができるようにする。
(2)話すこと(やり取り)の目標
ア) 基本的な表現を用いて指示、依頼をしたり、それらに応じたりすることができるようにする。
イ) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うことができるようにする。
ウ) 自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について、簡単な語句や基本的な表現を用いてその場で質問をしたり質問に答えたりして、伝え合うことができるようにする。
(3)話すこと(発表)の目標
ア) 日常生活に関する身近で簡単な事柄について、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
イ) 自分のことについて、伝えようとする内容を整理した上で、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
ウ) 身近で簡単な事柄について、伝えようとする内容を整理した上で、自分の考えや気持ちなどを、簡単な語句や基本的な表現を用いて話すことができるようにする。
(4)読むことの目標
ア) 活字体で書かれた文字を識別し、その読み方を発音することができるようにする。
イ) 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする。
(5)書くことの目標
ア) 大文字、小文字を活字体で書くことができるようにする。また、語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。
イ) 自分のことや身近で簡単な事柄について、例文を参考に、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるようにする。
「聞くこと」「話すこと」では、3・4年生と同様に、「身近で簡単な事柄」「身の回りの物に関する事柄」「日常生活に関する身近で簡単な事柄」についての表現を学んでいます。さらに、5・6年生では、「具体的な情報」や「短い話の概要」を聞き取ることができるようになることや、「指示や依頼をしたり、それに応じる」こと、「その場で質問したり質問に答えたりする」などのコミュニケーションができるようになることが目標となっています。
5・6年生では次のような語彙を学習しています。
動作を表す言葉 (eat、readなど)
状態・気持ちを表す言葉(busy、happyなど)
食べ物・飲み物(bread、milkなど)
数・序詞(one、firstなど)
学校生活で使う言葉(classroom、gymなど)
職業(dentist、teacherなど)
家具(chair、deskなど)
スポーツ(badminton、soccerなど)
国(Brazil、Italyなど)
色 (black、redなど)
季節・月・曜日 (spring、May、Sundayなど)
動物 (bearなど)
自然・天気 (mountain、sunnyなど)
位置・方向 (down、straightなど)
人・体 (boy、eyeなど)
祝祭日 (Doll’s Festivalなど)
趣味・遊び(reading、jump ropeなど)
頻度を表す言葉 ( always、usuallyなど)
また、次のような表現を学習しています。
小学5年生
How are you?
I’m fine. Thank you. And you?
I’m fine, too. Thank you.
What sport do you like? I like baseball.
When is your birthday?
My birthday is February first.
What do you have on Monday?
I have English, math, and art on Monday.
What time do you go to bed?
I always go to bed at nine.
Can you run fast? Yes, I can.
Where do you want to go?
I want to go to Canada.
What would you like?
I’d like Fried Chicken.
Where is the cat? It’s under the table.
How many pencils do you have?
I have five pencils.
Who is your hero?
My hero is my grandfather.
He is a teacher.
小学6年生
I’m from Kanagawa, Japan.
Welcome to Japan.
We have a summer festival in summer.
You can enjoy delicious food.
This is my town.
We have a nice park.
It’s beautiful.
What would you like?
I’d like pizza, please.
How much is it?
It’s 8 dollars.
What do you want to be?
I want to be a pastry chef.
Why?
I can make a cake.
Ken is a designer. He is creative.
We have a sport day in May.
We have a school concert in December.
How was your summer vacation?
My summer vacation was great.
What’s your favorite memory of school?
It’s the school trip.
I went to Karuizawa.
I enjoyed camping.
I ate curry and rice.
What club do you want to join?
I want to join the badminton team.
5・6年生の授業では、視聴覚教材を使ったリスニングを行う授業も多く行われています。また、最初に定型文に沿って自分の意見を書き、それを発表するといった授業も行われています。
「日本について」「自分たちの町や学校について」「夏休みの思い出について」「将来の夢について」「中学校に入ってからのクラブ活動などについて」などをテーマとし、英語での表現の仕方を学んでいます。
「読むこと」「書くこと」では、5年生でアルファベットの読み書き、語彙や語句の読み、書き写しとステップアップしていきます。6年生では文の読み、書き写しなどの学習を行っています。
教科書によって違いますが、テストは、CDの音声を聞いて、発音された単語を表す絵を選ぶ問題や、選択肢に書かれている単語を選び、四線に書く問題などが出題されています。授業時間は年間70時間です。
3.まとめ
小学校の英語学習では、コミュニケーションを重視した授業が行われ、3・4年生では、「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」を学んでいます。そして、5・6年生では、「読むこと」「書くこと」も加わり、4技能5領域の学習が行われています。
学習内容を確実に身に付けていくためには、日頃から、「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「読むこと」「書くこと」の4技能5領域をバランスよく学んでいく必要があります。
また、小学校で学習する英単語数は600~700語になりましたが、多くの中学校では、その600~700語の単語をマスターした前提で授業が進められています。小学生のうちから単語の書き取りまで取り組んでおく必要があります。
そして、最も重要なことは、新学習指導要領で重視されたコミュニケーションとしての英語力をしっかりと伸ばしていくことです。
プリンス英米学院の小学生クラスでは、CEFR A2レベル(英検準2級合格)を学習目標としています。英会話レッスン(ネイティブ講師)と英文法レッスン(日本人バイリンガル講師)を合わせたスタンダードコースで英語の4技能5領域をしっかりと身に付けていきましょう。
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